ジュエリーデザイナーの机 | 田中オリエブログ

アンリガトウ代表・ジュエリーデザイナー田中オリエの起業お役立ちブログです。東京武蔵小山で予約制ジュエリーサロン営業中

1本の線にかける時間と思い・デザイン画の進め方

私は、打ち合わせの際に ラフスケッチをお描きして、 イメージをすぐに目の前で 見てもらう方法で ジュエリーの打ち合わせを しております。

打ち合わせでラフスケッチを すでにご覧いただいているので すぐに製図が描ける、と 思われがちなのですが 製図をお届けするには 3週間前後お時間を頂いております。

今日はその理由をお話します。

デザイン画の種類は2つ

ジュエリーのデザイン画には2つあります。 イメージを相手に伝える為の 「ラフスケッチ」と それを見ながら職人が作る為の 「製図」です。

ラフスケッチ

ラフスケッチにはこんなものです。

その他の例はこちら 過去製作事例「お見積もり例

ラフスケッチは私の場合、基本 フリーハンドです。

相手に伝える為のものなので 速さが重要。さらさらっと 自分の頭の中にあるアイデアを 相手に伝えられること、が目的です。

製図

製図とは「実寸サイズ」で書かれた 設計図です。

これを見ながら職人が 作り方を確認し、厚みや高さを 伝える為のもの、です。

私の場合、提案時にラフスケッチを 見せているので、それを持ち帰り 製図にする、ということになります。

1本の線にかける時間

製図は、「職人に伝える為のもの、です。 さらっと描ける時もありますが、 通常は何度も何度も、線を書き直しする 場合がほとんど。

何度も何度も描いて、パズルがぱちっと はまるくらいこれ!っていう線が描けた時は デザインの神様の声が やっと聞こえたようで嬉しくなるのです。

20年以上やっていても、 1本の線が描けない時がある。

1本の線に翻弄される時があるのです。 それこそまる1日、1本の線を書いて いる時もあるのです。

お客様にとっての宝物の1つになるように

職人さんにはたくさん作るオーダーの 1つかもしれない、

でもお客様にとっては世界で1つの 大切な宝物になるジュエリー。

私はこれを大切にしています。

おかげさまでたくさんのリフォームや ブライダルリングに携わらせて頂き いろんなジュエリーを通して 人の歴史や思いに触れさせて頂いて います。

20年この仕事をやっていると、 変な話「仕事をこなして」しまえる こともできる。

でも、私は「たくさんの仕事の1つ」とは 決して考えないように自分を戒めています。

だから、1本の線に、そのジュエリーを 身につける人への思いを込める。

職人へ、その線の思いが伝わるような 図面を引く。

線って不思議で、 気持ちが乗ります。

だから、図面を書く時は体調の いい日を選んでいます。

身につけた時に、ウキウキした 気持ちになるジュエリーにする為に そのジュエリーに関わる人が全て ベストコンディションである人が 関わったほうがいいという考え方です。

物に思いはこもります。 身につける人にラッキーが起こる ようなジュエリーにする為に。

あなたの宝物を形にして ただ形にするだけではなく 身につけた時に作り手の 「身につけた時にいいことが おこりますように!」という 願いがこもったジュエリーに できるように。

そんなことを思いながら 図面を引かせて頂いております。

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